私が考えるUDコンセプト

5〜6年前から、バリアフリーという言葉が頻繁に使わ
れるようになり、かなり浸透してきたように思います。
バリアフリーとは、簡単にいえば「バリアをなくす」
「障害をなくす」という意味です。しかしながら、これは、
バリアーが存在していることを前提にして使われている
ように思うのです。ですから、私自身は、バリアフリー
という言葉があまり好きではありません。

きっと皆さんは、段差をなくしたりすることが、バリア
フリーだと考えていらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、バリアフリーよりももう一歩進んだ考え方があ
ります。それは、ユニバーサルデザインという考え方で
す。その意味は「年齢や身体能力を超えて、すべての人
に使いやすいデザイン」ということです。


最近では、建物、ファッション、スポーツ、サービスな
どにもこの考え方が取り入れられるようになってきてい
ますが、まだまだ浸透するところまで行っていません。

時々、「バリアフリーもユニバーサルデザインも、段差
がないということでは、どちらも同じですよね。本当の
違いは、何ですか」と尋ねられることがあります。
そういう場合には、こんな例をあげて説明をしています。
「駅の階段には、車椅子専用のエスカレーターが併設さ
れていますよね。車椅子の方が使用する場合には、駅員
が必ず同行し、一般の方々を排除してから車椅子の人だ
けがエスカレーターを使用している場面に遭遇すること
があります。
この場合、一般の人達は、エスカレーターを使うことが
出来ず不便を感じますし、車椅子ユーザーにとっても自
分達のために他の人達が使えないで申し訳なく思います。

まず、このやり方は、まだバリアフリーというレベルの
考え方です。これに対して、ユニバーサルデザインとい
う考え方に立った取り組み例として、最近、駅の改札口
周辺からホームまで直結しているエレベーターを見るこ
とがあります。
これは、誰にでも使えるエレベーターで、健常者も障害
者も同じように使うことができます。障害者は、駅員の
介助を受けることなくホームまで辿りつけます。
こういう考え方がユニバーサルデザインという考え方な
のです。

私も、6年程前から、このユニバーサルデザインという
考え方をもとに商品開発をして参りましたが、そうした
過程でユーザーの方々といろいろお話しをしてきて気づ
いたことは、何と言っても重要なことは、「心のユニバ
ーサルデザイン」を進めていくことにあるのではないか
ということでした。

「心のユニバーサルデザイン」とは私達一人一人が、健
常者に対しても、身障者に対しても分け隔てなく接する
ことのできる気持ちということです。
物や設備などハード面だけユニバーサルデザインを進め
ても、接する人の気持ちがユニバーサルでなければ、真
のユニバーサル社会は到来しません。

これから高齢化社会に向けて、「心のユニバーサルデザ
イン」を私達一人一人が自覚して人生を送れたらなんて
素晴らしいことでしょう。
皆さんもご一緒に人生を素敵に生きてみませんか。
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